【100年生きるのが普通】LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略

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自分の身の回りの人で100歳まで生きている人はどれくらいいるでしょうか.おそらくそんなに多くないし,全くいない人もいるでしょう.それもそのはずで,100年前では100歳まで生きる確率は1%にも満たなかったからです.

しかし,最近の人口予測によると,2007年生まれの約半分が107歳まで生きる,と予測結果が出ており,
さらに,1987年生まれの人たちの平均寿命は98〜100歳,1977年生まれは95歳〜98歳となっています.
つまり,これからの世界では100歳まで生きるのは特別なことでもなんでもなく,当たり前の世界となります.そして,人生が長くなることで,労働市場や人間関係などでより多くの変化が生じやすくなり,人生設計に今まで以上に柔軟性をもたせる必要が出てきます.そのため,これまでの「教育〜仕事〜引退」といった3ステージの人生設計だけでは,快適な人生を送ることが難しくなっていくことが予想されています.

では,どのように人生設計をしていけば良いのか.

この問いへの回答として,いくつかの提案をしているのが本書の内容になっています.

3ステージ制の人生が壊れる

これからの100年ライフにおける以下の老後を仮定してみましょう.以下の仮定は我々が抱く老後の目標に近いものがあるのではないでしょうか.

  • 100歳まで生きる
  • 仕事は65歳で引退
  • 引退後は,最終所得の50%分の資金で毎年暮らしたい(財源は貯蓄と公的年金を仮定)

様々な要因があるため正確な数字は算出できませんが,上記を達成するためには勤労期間中に毎年所得の大体25%を貯蓄する必要があると本書では述べられています.そして,現実問題として毎年所得の25%の貯蓄はかなり厳しい数字です(大体5%〜10%の貯蓄が多いようです).しかも,今後は現行の公的年金制度が破綻していくことが予想されるため,実際は毎年30%近い貯蓄をしないといけないことになります.さらに,生活資金だけではなく,実際には住宅ローンの返済や子どもの教育費,医療費などの資金も必要となるため,上記の3つの条件を満たすことが,とても現実的ではないことがわかります.

要するに,これまで常識であった,大学を卒業し(教育),就職し(仕事),60歳〜65歳で退職し老後を暮らす(引退)という3ステージの生き方では,100歳を超す人生を経済的に過ごすことはかなり困難なのです.
ちなみに,勤労期間に毎年所得の10%を貯蓄をするという現実的な選択をとった場合,上記の条件を満たすためには,80代まで働き続ける必要があります.公的年金制度の破綻と相まって,人生が長くなればなるほど,働く年数を増やさない限り,十分な老後資金を確保することが難しい時代になっているのです.

しかし,これまでと同様に大学や1つの企業で得たスキルだけでキャリアを形成していくのは困難を極めます.長寿化した人生では,テクノロジーの急速な進歩による労働市場の変化や不測の事態(現在だとコロナウイルス)に遭遇する確率がこれまで以上に増すからです.

では,これからの100年ライフをどうように生きていけば良いのか?

求められるのは,金銭面での不自由を克服しつつ,多様で頑健な無形資産を築く人生設計になります.

無形資産は,知識やスキル,人脈,健康,人間関係などの数値では表現できない資産のことを指します.過去の研究結果から,人間関係やスキルが人生の幸福度やキャリアの成功に大きな影響を与えることがわかっており,金銭のような有形資産だけでなく,無形資産の構築も大事になってきます.特に,100年ライフでは,テクノロジーの進歩に伴い,労働市場や人間関係に大きな変化が生じやすく,より多種多様になっていきます.そういう時代ではなおさら,有形資産と無形資産のバランスが人生に大きな影響を与えてきます.

スキルや人脈などの無形資産の構築,およびそれらへ投資をする習慣が大事

特に重要になってくるのが,多様な無形資産(スキルや人脈)の形成です.
まず,テクノロジーの進歩によって多種多様な労働市場の生成および破壊が行われていくため,一つのスキルだけで長い人生を乗り切るのは困難が予想されます.また,長い人生となると,想定外の事態に遭遇する確率も当然増えます.2020年の今でさえ,コロナウィルスによって多くの職が失われていることを認識すれば,想像に難くないと思います.

そして,どのようなスキルが必要とされるのか,どのような未来になっているのかを予想することは専門家でも難しいです(今から20年前に,誰もがスマホを持ち歩いて,Youtubeで巨額の富を築ける未来を予想できた人はほとんどいないと思います).
だからこそ,多様なスキルや人脈などの無形資産の構築,およびそれら無形資産へ投資をする習慣が今後はより一層大事になってきます.キャリアの転身,新しい分野への介入,ポートフォリオ型の仕事スタイルなど,予測不可能な未来で有効となる手段を手に入れるには,無形資産の構築が必要不可欠です.20代前半までの学校教育だけで学んだことを使って,100年にわたる安定したキャリアを築くのは不可能に近いです.
例えば,どういったスキルが今後必要になるかを正確に予測することは不可能なので,時代に応じて適切に情報収集し,必要なスキル(無形資産)に投資をする癖・習慣を身につけることが大事です.

そして,これからの100年ライフでは,これまでのような有形資産中心の人生設計から,有形資産へ投資するステージ,無形資産へ投資するステージ,両者をバランスよく投資するステージ,のようなマルチステージの人生設計へと遷移していくことが重要,と本書では述べられています.

新たな人生設計

本書ではこれからの100年ライフでは,以下で説明する「エクスプローラー」,「インディペンデント・プロデューサー」,「ポートフォリオ・ワーカー」の3つのステージが人生設計に必要となってくると説かれています.なお,どの年齢でどのステージを経験すべきかといったことはなく,いずれのステージも,人生のどのタイミングで実施しても問題ないと本書では述べられています.

エクスプローラー

このステージでは,周囲の世界を探索し,世界がどのように動いているのかを知り,そして自分がなにをすることを好み,なにが得意なのかを発見していくことに時間を割きます.「自分にとってなにが重要なのか?」,「私はどういう人間なのか?」,こういった問いに答えることを目的にしてもよいと言えます.いろいろなものに触れ,多様な経験をし,自分の思い込みや価値観に新しい光を当てることが重要となってきます.

100年ライフでは,時間の増加とテクノロジーの発展によって,これまで以上に人生の選択肢が多種多様となります.その複雑な選択肢の中から,自分の人生と相性の良い選択肢を選び出すことがより重要になってきます.しかし,そもそもこの世界にはどういった選択肢があるのか,自分にはどういった選択肢が適合しているのか,それをしっかり考えられている人は多くないのではないでしょうか.
これからは,選択肢の探索(エクスプローラー)に多くの時間を割くことが重要なのです.

大学を卒業してそのまま企業の世界に入った人は,早い段階で専門分野を決定したことにより,袋小路に追いやられる危険がついて回るかもしれません.その選択が自分にとって本当に良い選択だったのかをしっかり考えているのならば,なにも問題ありません.しかし,「まわりのみんなが就職しているから」とか「この分野は給料が高いから」などのような自分ではなく外に理由を置いているようでは,真に選択肢について考えられているとはいえません.

長い未来を見据えて,自分の関心と情熱に沿った教育を受けること,自分の価値観に適合し,やり甲斐を感じられ,自分のスキルに適合そして成長するような仕事を見つけること.こうしたことが必要になってきます.そのために,積極的に活動し,世界について発見をし,自分について考えるエクスプローラーの時間が大切です.

インディペンデント・エクスプローラー

このステージは,一言でいえば,現在の起業家のことを指します.起業家との違いは,インディペンデント・プロデューサーは基本的に,永続的な企業は作ろうと思わず,一時的なビジネスや実験を通じて,学習し,無形資産を構築する点になります.

どうすればアイデアをビジネスに展開できるのか?その際に資金を借りたり,支援や助言を受けたりするのに必要な人脈はどうやって築けば良いのか?

こういった実践的なスキルを経験を通じて学ぶのがインディペンデント・プロデューサーのステージになります.そして,活動を通じて確立した個人の「評判」は,将来における貴重な無形資産となります.同時に,自分がどのような無形資産をもっているかを認定するもの(例えば,スキルがあることを証明する認定証のようなもの)があればなお将来の選択において貢献すると本書では述べられています.

ポートフォリオ・ワーカー

このステージでは,様々な活動を同時並行して行います.そして,このステージの核をなすのが,さまざまな活動のバランスを取りながら生活する点になります.過去に行ってきたことと関わりのある仕事に,例えば,週1日か2日携わったり,趣味に没頭して楽しく過ごしたり,友人と過ごす時間を増やしたり,とバランスを取りながら生活する点が特徴となります.

ここでは,

  • 支出をまかない,貯蓄を増やすこと
  • 過去の経歴とつながりがあり,評判とスキルと知的刺激を維持できるパートタイムの役割を担うこと
  • 新しいことを学び,やり甲斐を感じられるような役割を新たに担うこと

の3つの側面のバランスが取れたポートフォリオを築くことが重要となる.
スキルと人的ネットワークの土台が確立できている人によって,ポートフォリオ・ワーカーのステージでは,リスクを分散しつつ,自分が興味のあることに主体的に取り組めるため,魅力的な選択肢となることが多い.

健康も大事

さらに,冒頭で述べたように,100年ライフでは必然的に働く年数が多くなります.長く生産的に働くためには,自身の健康も大事なポイントとなってきます.まさに身体が資本とはこのことですね.
今後の100年ライフでは,健康という無形資産が人生に大きな影響を与えるため,健康に気を配ることも大事です.本当に健康に良い食事方法に関しては,こちらの記事で解説しているので,良ければ参考にしてみてください.

まとめ

これから訪れる100年ライフでは,有形資産だけでなく,無形資産(スキル,人脈,健康など)への投資が重要になってきます.有形資産と無形資産のバランスが良くとれていることで,長寿化社会において安定した生活をおくれる可能性が高くなります.

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