【5分でわかる】 世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

勉強や研究をやっていく上で,健康維持は大事です.そこで今回は,本当に身体に良い食事は何なのかについて,詳しく解説してくれている上記の書籍を紹介します.

本書では,ハーバード大学を経てUCLA助教授として活動する医師(著者)が,科学的根拠にもとづく本当に健康に良い食品を紹介しています.こちらを5分で概要を掴める程度にまとめてみました.

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まず前提として,よくテレビやネットでよく目にする,「○○が健康に良い」という情報は,商品の売上に大きな影響力を持つため,科学的根拠のない健康情報がマーケティングの一環として利用されているのが実情です.食品に関する関連業界は関連省庁にロビイングしているため,省庁が発表する「ガイドライン」ですら歪められてしまっている可能性を否定できないのです.

例えば,厚生労働省と農林水産省はご飯をお茶碗で1日3〜5杯食べることを推奨していますが,科学的根拠に基づくと,白米は一日2〜3杯ですでに糖尿病のリスクが上がることが示されています.また,常に最新の研究結果が反映されてるとは限らないため,注意が必要です.この本では,健康になるという観点において,現時点で最も「正解に近い」と考えられている食事を説明しています.

まとめ

・本当に健康に良い(=脳卒中,心筋梗塞,がんなどのリスクを下げる)食品は,魚,野菜と果物(じゃがいもとフルーツジュースは含まない),茶色い炭水化物,オリーブオイル,ナッツ類(アーモンド,くるみ,カシューナッツ)の5つなので,これらを積極的に摂取するべき.

・体に悪いと考えられているのは,赤い肉(牛肉や豚肉のことで,鶏肉は含まない.ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い),白い炭水化物,バターなどの飽和脂肪酸の3つのため,これらの食品は避けるべき.

1章 「日本人が勘違いしがちな健康常識」

1.科学的根拠に基づく本当に体に良い食事

本当に健康に良い(=脳卒中,心筋梗塞,がんなどのリスクを下げる)食品は,魚,野菜と果物(じゃがいもとフルーツジュースは含まない),茶色い炭水化物,オリーブオイル,ナッツ類(アーモンド,くるみ,カシューナッツ)の5つです.

逆に体に悪いと考えられているのは,赤い肉(牛肉や豚肉のことで,鶏肉は含まない.ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い),白い炭水化物,バターなどの飽和脂肪酸の3つです.

茶色い炭水化物は,玄米,蕎麦,全粒粉の使った茶色いパンなど,精製されていない炭水化物のことで,食物繊維が多く含まれているのが特徴です.
白い炭水化物は,白米,うどん,パスタ,小麦粉を使った白いパンなどの精製された炭水化物のことで,食物繊維が少ない炭水化物のことです.
※実際には「色」が関係しているわけではありません.精製されておらず食物繊維を多く含む炭水化物を茶色い炭水化物と呼んでいます.


炭水化物=糖質+食物繊維なので,科学的には白い炭水化物は,実は砂糖と等価となります(味があまりにも違うため戸惑うかもしれませんが).

2.食品に含まれる「成分」に惑わされるな

果物に含まれる成分である果糖は,血糖値を上げるという点では健康に良いとは言えませんが,果物そのものは健康に良い食品という科学的根拠は多くあります(有名なβカロテンの例も同じです.緑黄色野菜は健康に良いが,その成分であるβカロテンだけを摂取しているだけだと,むしろ様々な病気のリスクを上げることがわかっています).そのため,個々の成分をみるだけではなく,食品全体としての効果をみるべきなのです.

「成分」は多くの消費者の興味を惹きつけるため,マーケティングに使われているということを忘れてはいけません.健康を維持するために重要なのは,特定の成分に惑わされて特定の野菜を集中的に食べるのではなく,色々な種類の野菜や果物をたくさん食べ続けることが大事です.

2章 「体に良いという科学的根拠がある食べ物」

1.オリーブオイルやナッツは脳卒中やがんのリスクを下げる

いわゆる地中海食(=オリーブオイル+ナッツ類+魚+野菜・果物)が健康に良いことがわかっています.地中海食を食べなかった人に対して,地中海食中心の人は,

  • 脳卒中,心筋梗塞による死亡率が29%低下
  • 脳卒中のリスクも33%〜46%減少
  • 乳がんの発生率を57%減少
  • 糖尿病リスクを30%低下
  • がんによる死亡率が14%低下,発生率4%低下,大腸がんの発生率9%低下

という結果が得られています.地中海食は別に凝ったものである必要はなく,オリーブオイル,ナッツ類,魚,野菜と果物を豊富に食事に取り入れ,赤い肉を避ければ良いです.
これらの食事だけだと甘味がなく,我慢できないという人には,チョコレートがおすすめです.チョコレートには血圧を下げるという科学的根拠があるため,食後などのデザートには最適となっています.ただし,含まれる砂糖の量が少ないダークチョコレート(カカオX%が大きい)にすべき点に注意が必要です.

2.果物は糖尿病を予防するがフルーツジュースは糖尿病のリスクを上げる

よく果物のかわりにフルーツジュースで代用している人がいますが,フルーツジュースは加工の過程で,健康上重要な食物繊維が失われているため,健康に対して悪影響を及ぼすことがわかっています.そのため,なるべく果物や野菜を摂取するようにしましょう.

摂取の目安として,一日の果物の摂取量が1単位(バナナなら1/2本,りんごなら小玉1個相当)増えるごとに,死亡率は6%減り,野菜の摂取量が1単位(小皿1杯)増えるごとに死亡率は5%減ります.ただし,最大でも1日の摂取量が5単位を超えると,死亡率は変わらなくなるので取り過ぎても効果はありません.
心筋梗塞や脳卒中も同様で,1単位増えるごとにリスクが4%下がります.ちなみに,がんに対しては効果があまりないことがわかっています.

また,果物を摂取している人は,糖尿病のリスクは下がるのに,逆に,フルーツジュースを飲んでいる人ほど,糖尿病のリスクが高いことがわかっています.
これは,果物の場合は,血糖値を上昇させる果糖が含まれているものの,同時に血糖値の上昇を抑えてくれる食物繊維も含まれているからです.
フルーツジュースは,加工の過程で,食物繊維が取り除かれてしまうため,果糖のみを摂取することになり,糖尿病のリスクが上がるわけです.

野菜のかわりに野菜ジュースを摂取することに関しては,十分なエビデンスがないため,現在でもわからないというのが実情です.しかし,野菜をとれば健康に良いことは科学的に示されているため,野菜を食べていれば問題ありません.

3.魚は心筋梗塞や乳がんのリスクを下げる

1日60グラムの魚を食べれば健康には十分効果があると示されています(それ以上食べても効果はありません).効果として,魚を全く食べなかった人に比べて死亡率が12%下がることがわかっています.

心筋梗塞に関しては,1日85〜170グラムの魚を摂取すると,ほとんど食べない人に比べて,心筋梗塞による死亡リスクが36%下がることもわかっています.EPA(エイコサペンタエン酸)と呼ばれる,青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸を飲んだグループは,飲まなかったグループと比べて,心筋梗塞による死亡リスクが19%低い結果も得られているので,青魚がおすすめです.
また,魚を食べることで乳がん,大腸がん,肺がんのリスクも下げることがわかっています.

ちなみに,よく健康食品として取り上げられる牛乳やヨーグルトなどの乳製品は,摂取量が多くなると(多くとも1日450グラム),前立腺がんや卵巣がんのリスクが上がる可能性が示唆されているため,乳製品の摂取量はほどほどにした方がよいとされています(しかし,ヨーグルトは糖尿病の発生率を下げるというエビデンスもあります).

3章 「体に悪いという科学的根拠がある食べ物」

1.白い炭水化物は体に悪い

炭水化物には,健康に良い炭水化物と健康に悪い炭水化物があります.白米は精製される過程で食物繊維やその他の栄養成分が取り除かれてしまうため,実は健康に悪い炭水化物(白い炭水化物)なのです.

1日70グラムの茶色い炭水化物を摂取したグループは,茶色い炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低いという結果も出ています.さらに,心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低くなります.
玄米を多く食べた場合(週に200グラム以上),食べない人たち(月に100グラム未満)と比べて,糖尿病になるリスクが11%低くなることもわかっています.ちなみに,1日50グラムの白米を玄米に置き換えることで,36%の糖尿病リスクを下げることができるので,どうしても玄米が苦手な場合は,日常の白米を徐々に玄米で置き換えていくことをおすすめします.
そのほか,茶色い炭水化物の摂取量が多いひとほど,BMIが小さく,便秘や大腸などの消化器官への影響も良いことがわかっています.

ちなみに,残念ながら,白米は少量でも健康に悪いことがわかっています.例えば,白米の摂取量が少なければ少ないほど糖尿病のリスクが低いことが判明しています.お茶碗1杯増えるごとに糖尿病の11%リスクが増加します.そして,1日2杯でも糖尿病のリスクは上がり始めることがわかっています.なお,どうしても白米を食べたい人は1日1時間以上の激しい運動をすれば糖尿病のリスクをあげずに済むかもしれないと言われています.
小麦製品も,精製されていない全粒粉が多く使用されている製品(茶色い炭水化物)を食べるべきです.

2.牛肉,豚肉,ソーセージやハムは健康に悪い

加工肉は発がん性があり,赤い肉(豚肉,牛肉,羊肉,馬肉)にはおそらく発がん性があることが示されています.
加工肉の場合,1日あたりの摂取量が50グラムを増えるごとに,大腸がんのリスクが18%増加,赤い肉の場合は,1日100グラム増えるごとに大腸がんのリスクが17%増加するようです.
そして,加工肉の摂取量が多くなるほど,死亡率,脳卒中,心筋梗塞による死亡率,がんによる死亡率がすべて増加されることが判明しています.
これらの食品の代わりに,魚や鶏肉を摂取することでリスクを最小化することができます.

おまけ

カロリーゼロ飲料(人工甘味料)については,健康に良いかどうかのまだ結論は出ていないようです(有害もしくは影響なし).
妊婦は野菜と果物をたくさん食べるべきのようです.これらに含まれている葉酸は胎児の神経管閉塞障害のリスクを下げてくれるため.

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